2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

【芸術評】 マイク・ケリー『DAY IS DONE』作品分析 —マイノリティに〈なる〉芸術—

はじめに 「#MeToo」や「LGBT」等の言葉を目にする機会が増え、あらゆる意味合いでの「マイノリティ」に関心が高まっている昨今、芸術作品におけるその表象のなされかたを読み取ることの意義は大きいように思える。本記事では、この「別のものになること」…

【第一回座談会】2018年アニメ総振り返り①

三ツ岩 では初めに軽い自己紹介を。 立月 今年はアニメをあまり見ることが出来ませんでした。誠に遺憾です。立月です。 踊るサバ 基本世間の後追いでアニメ視聴を開始する、踊るサバです。結局、生協で安定してうまいのはサバだと思います。 虎太郎 虎太郎で…

【書評】古市憲寿「平成くん、さようなら」

モノフォニックな物語として かつてロシアの文芸批評家であるミハイル・バフチンは、ドストエフスキーの小説を「ポリフォニック(多声的)」であると表した。 普通、小説を書けば、その登場人物はいずれも作者の自己投影となってしまって、予定調和的に物語…

【感想】アニメ『ゾンビランドサガ 』〜なぜゾンビがアイドルを!?〜

2018年秋アニメ『ゾンビランドサガ 』で、 「なぜゾンビがアイドルをしなければならなかったのか?」が本稿のテーマです。 TVアニメ「ゾンビランドサガ」公式サイト ゾンビが佐賀でアイドルをする!! というツッコミどころ満載な設定から、いかにして物語が…

【書評】多和田葉子『献灯使』

分からない、捉えられない 表題作の「献灯使」のページをめくると、間もなくそれが自分の知るこの世界ではないことが分かる。この物語の主人公らしき義郎がジョギングを──いや、鎖国し外来語が禁じられたこの世界では「駆け落ち」と呼ばれる行為を、借りてき…